研究分野 次世代表現

当社は創業以来、ヒトやモノというリアルフィールドでの情報伝達やコミュニケーションを大事にしてきました。
昨今では、インターネットの普及・高度化により、リアルとデジタルが統合された新しいコミュニケーションの未来をデザインしています。
そんな未来のコミュニケーションを革新するために次世代表現技術として、3D Gaussian Splattingに代表されるような自由視点映像再構成技術や、遠隔インタラクション、XRビジュアルインターフェースなどの技術に取り組んでいます。これらの技術により、現実のヒトやモノの動きや変化・意図を高精度に捉え伝達し、リアルタイムに遠隔地との自然なコミュニケーションを実現するとともに、さらなるデジタル技術を活用することでリアルを超えたコミュニケーション体験を提供する取り組みを行っています。
活用イメージ
単なる現地映像の伝送にとどまらず、出来事を記録し、体験することを可能にするのが次世代表現技術です。例えば、3D Gaussian Splattingを時間方向に拡張することで空間を自由視点で時系列的に確認できるため、視聴者はインタラクティブで臨場感のある体験を得ることができます。
具体的には、熟練工の動作や技術を4Dデータで詳細に記録し、教育用に再構成することで、学習者は職人の手の動きや視線の移動を正確に再現しながら学ぶことができるとともに、技能伝承の精度と効果が大幅に向上します。また、無形文化財に対して、細部まで再現された伝統技術や芸術をデジタルアーカイブとして保存することで、後世に伝えることができるとともに、今まで伝承・発見できなかった情報まで伝えることができます。

遠隔インタラクションとXRビジュアルインターフェースを用いることで、物理的な距離を超えたリアルタイムの対話や操作が可能になります。
例えば、ビジネスシーンでは、離れた場所にいるチームメンバーが同じデジタル空間上でデザインレビューやプロトタイプの評価を行うことができ、エンジニアが現実の機械をリモートで操作・修理したり、デザイナーが遠隔地のモデルに対してリアルタイムでフィードバックを提供することが可能です。
また、建築現場では、専門家が遠隔から工事の進捗を確認し、必要な指示を出すことができます。
これらは、インターネットが距離や時間を超越したように、効率的なコミュニケーションとコラボレーションが実現し、プロジェクトの進行や意思決定の速度が大幅に向上します。

研究紹介
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ART×TECHの最新カルチャーイベント「DIG SHIBUYA 2025」のインタラクティブ体験をレポート
2025年2月に渋谷公園通りを中心とした公共空間や商業施設を舞台に開催されたアートとテクノロジーを掛け合わせた実験的イベント「DIG SHIBUYA 2025」にて展示したインタラクティブコンテンツの技術解説です。
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リアルとデジタルを繋ぎ未来を拓く!
東京都ベイエリアを舞台に未来の都市を創造する「東京ベイeSGプロジェクト」を、デジタルと融合したジオラマとして日本科学未来館のTokyo Mirai Parkで展示。今回の展示とこれまで取り組んできたジオラマインターフェースに関する活動についてご紹介。
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全方位で世界を記録する「パノラマ技術」
デジタルアーカイブ領域における実験の一環として「超高解像度な360度パノラマ画像をVR環境で体験できるコンテンツ」を「撮影からアプリケーション化までを容易に作成できるシステム」のプロトタイプ構築・実験を行いました。このシステムにより、ユーザーはあたかもその場にいるかのような体験をすることができます。
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コンピュテーショナルファブリケーション技術による機能性メタマテリアルの研究
CF技術はコンピューターによるデジタルモデルの生成から加工機によるオブジェクト作製までの一連のプロセスを支援する技術です。そして、メタマテリアルは本来その物質には存在しない特性を人工的に持たせた素材です。TOPPANは住空間・オフィス空間の家具・インテリア材を対象とし、調光や吸音効果を有するメタマテリアル開発を進めています。
主要論文・受賞歴
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2025/04/01 受賞
事前のコンテンツ制作や複雑な設置作業が不要なプロジェクションマッピング技術を実現し、「INTERACTION2025」でインタラクティブ発表賞を受賞。