研究分野 次世代光学

IDカードやパスポート、ブランド品などの偽造防止は必要最低限の要件であり、この要件を満たす為の次世代光学による「セキュリティホログラム」の研究から、リアルフィールドでのセキュリティ要件を社会実装し、安心・安全な社会を実現しています。
具体的には、偽造者に対抗する為に「独自の光学設計」「独自の材料設計」「特殊な製造プロセス」の3つの技術要素から、さらなる偽造し難いホログラムへ進化させています。
また、 近年、独自の光学設計技術を、物品や生体の特定や認証に活用した取り組みも行っています。
活用イメージ
IDカードやパスポート、ブランド品などは常に偽造・模造の脅威に晒されており、次世代光学技術を応用したセキュリティデバイスが求められています。
これらの媒体の真正性を証明するために、光の回折を利用した表面レリーフホログラムを進化させ「偽造防止性の高い表現※1」や「偽造困難な構造※2」の研究を行い、さらなる強固な偽造・模倣品の排除が可能となります。
※1:3D表現や絵柄の明確な変化(発色⇔色の消失)など、特殊な光学効果を必要とする表現
※2:作製に高度な技術を要するナノオーダー構造、例えばメタサーフェス構造・プラズモン構造など

近年、フェイクニュースやデジタル詐欺のリスクが高まっており、情報の正確性と信頼性が求められています。そのため、デジタルでの管理や認証の必要性が急速に高まっています。当社は、長年にわたり、IDカードやパスポートの偽造防止に寄与するため、イルミグラムTMなどのホログラム商材に活用する技術を開発・提供してきました。
さらなる認証の強化と精度の向上のために、スマートフォンや特殊認証装置でホログラムの真贋を判定できる技術の開発が求められており、これまでのホログラム商材で培った微細加工技術、光学設計技術に加え、近年の技術革新を遂げた機械学習を駆使して、より安心・安全な認証技術の取り組みを行っています。

研究紹介
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パスポート向けDOVIDについて
DOVIDは光の特性を制御したセキュリティデバイスとして偽造防止に使用され、パスポートなどに採用されています。TOPPANはこれまで培ってきた偽造防止ソリューションの知識とノウハウを基に、新しい光学設計アイデアを取り入れて、変化効果での目新しさの実現やさらなる模造耐性の強化に取り組んでいます。
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人の越境移動を管理・コントロールするパスポートのデジタル・光学認証
パスポートなどのIDドキュメントには、偽造や変造を抑止・防止するための様々な技術が使われております。TOPPANはホログラムの図柄を機械で読み取るメカニズムの構築や、IDドキュメントの保有者毎に顔画像が個別化されたホログラムの生成装置やソフトウェアの研究開発を行っています。
関連製品
主要論文・受賞歴
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2024/04/10 発表
Optical and Digital Document Security 2024にて「Development of novel overt security feature for ID documents」を発表